2018年5月のローマ
さて、ベルギー一人旅を終えた私は、今回の旅の拠点であるローマに戻ってきました。
イタリアのローマに訪れたことがある方はご存知だと思いますが、
ローマはさすが「永遠の都」と称されるだけあって、
それはそれはドラマティックな都市です。
映画に出てくる美しい街角で、紳士淑女が優雅に佇んでいるのがローマかと思いきや、
・・・思いきや、実際は、、、
雑多で、騒音がひどく、空気が悪く、
あらゆる名所は常に人でごった返していて、
スリが頻発し、ぼったくりもいまだにはびこっている、
とんでもなくカオスな街です。
アップダウンが激しい石畳の道は歩きづらいうえ、
そこらじゅうにゴミと犬のウ●コが落ちています。
正直言って、日本人が持っている「モラル」というものは、ローマではあまり見かけませんね。
イタリアという国の中ではローマとは、
「でっかい田舎」という印象です。
決して洗練されていない、
というかつまりダサカッコ悪い、
わかりやすく言えば無粋な街、
それがローマ。
こんなこと書いたら、ローマ人の友人たちからつるし上げられそうですけどね。。
いや、意外と同意されるかも?
そう、ローマはミラノやフィレンツェ、ヴェネツィアとは違います。
でもね、はるか2000年前にはそこに、ローマ帝国の首都があり、
今あるローマという場所は、まさしく世界の中心だったのです。
(↑ フォロ ロマーノ)
そして、地球上に10億人以上の信者を擁する、カトリック教会の聖地も、この街に現存するわけで。
(↑ バチカン市国のサン ピエトロ大聖堂)
素晴らしい歴史と文化の威厳を、これでもかと放ちながら、
なぜローマは…
なぜローマはいつまでたっても、こんなにカオスなの!!
ヒドイよ、ローマは。
イタリアは、ヨーロッパの中でも政治・経済が「良くない方」として知られています。
先日ようやく新しい首相が決まるまで、3月から3ヶ月もの間、行政府の長の席が空きっぱなしでした。
それでローマに住むイタリア人の友人が、「今のイタリアはほんとにヒドイ!特にローマはイタリアの中でも最悪よ!」と、この旅で再会したときに嘆いていました。。
そうですね、なにが悪いって、
イタリア語には「ごめんなさい(私が悪いです)」という言葉が存在しません。
例えば何か「問題」が起こって、自分が悪かったとしても、自分が悪いことを認めると俄然不利に転じてしまうので、保身のために自分が悪いとは絶対に言いません。(笑)
そしてまた、ローマは特にその「問題」がよく起きるんですよ。
でも誰も謝らない。
そういう街です。(笑)
と、前置きが長くなりましたが、、
私の大好きなローマについて、簡単に説明させてもらいました。
あとはどこへ行くか、何を見るか、ガイドブックなりTripAdvisorなりで確認して決めてくださいね♡
では、ローマの街中を知り尽くしている、ローマをどこよりも愛する私が、
ローマの観光名所を、ありきたりな目線から勝手にご紹介します!
課題:ローマでの時間の使い方
ローマは、先ほども書いたように、世界有数の観光名所が至る所に点在しているため、あらゆるスポットが常に人で溢れかえっています。
特に気候の良い時期には、もうパンク状態!
なので、どこに行きたいかを予め検討しておき、予約できるところは予約しておくということも、効率良く観光スポットを巡るためには必要です。
〈バチカン美術館〉は、最大で3時間待ちの行列ができる日もあるとか。
※入館待ちの行列は2列になっていて、左側が予約なしの列、右側が予約ありの列です。右の方が混んでいるのでは?と最初に思っても、動き出すと右はスイスイ進むので、並び始めるときに気を付けてください。
尚、行列を整理している係員みたいな人たちが常時いて、「予約してる?してない?」と聞いてきますが、彼らは予約チケットを売りさばいて儲けたい人たちなので、「No!」の一言で拒否してください。しつこくしつこく勧誘してきますが、要求される金額は30ユーロほどです。予約なしでそのままチケットカウンターで買えば、17ユーロ。前もってネット予約しておけば、21ユーロで入館できます。
今回私たちが行ったのは、平日の午後2時ごろで、予約はしていませんでした。
行列は私が感じた中では短い方でした。それでも入館まで1時間近くは並んでいたかと思います。
実際に予約なしで行ってみて、どれだけの待ち時間になるかは、その時々で異なるため行ってみないとわからないのですが、マシなときでも1~2時間並ぶことは想定しておいた方がよさそうです。
その待ち時間をなくすには、事前予約するのが一番!
予約なしの入館料は17ユーロですが、予約をするだけでプラス4ユーロ追加となります。この4ユーロで、待ち時間を買うという発想ができるかどうか。
もったいない!とケチっていざ並んでみると、あまりの待ち時間にくたびれて、途中でダフ屋のチケットを買ってしまいそうになるので、よ~く検討されることをオススメします。
事前予約はオフィシャルサイトから、簡単にできます。
日本語で、とても分かりやすく説明されているページもいくつかあるので、
「バチカン美術館 予約」で検索してみてください。
美術館のエンディングに出てくるこの螺旋階段が、個人的にはバチカンで一番お気に入りの場所。
あの壮大な天井画〈システィーナ礼拝堂〉も、美術館の中にセットで入っています。
こちらは昔から写真撮影が禁止なので、載せられる写真はありませんが、
是非肉眼で、本物をご覧ください!
あの天井画のほとんどすべてをたった一人で描いた、神に愛された芸術家・ミケランジェロは、画家ではありませんでした。
生涯に渡り、彼自身が誇りをもって生業としていたのは、彫刻家。
サン ピエトロ大聖堂のクーポラや、〈カンピドリオ広場〉を設計したりと、建築家としての腕も相当なものでしたが、画家と呼ばれることは毛嫌いしていました。
ところが、当時のローマ教皇・ユリウス2世に命令され、システィーナ礼拝堂に旧約聖書の重要場面を描くことに。
そしてその天井画の完成を目にし、あまりのクオリティの高さにおののいた次のローマ教皇も、やはりミケランジェロに、新たに壁画を依頼します。
ミケランジェロは、彫刻家としてのプライドを一旦置き、老体にムチ打って、再び壁一面にフレスコ画を描きました。
それが、〈最後の審判〉です。
芸術に興味がないからと、ローマに行ったのにシスティーナ礼拝堂を素通りしたとしたら、それはこの時代に生きる人間として、あまりにももったいない!!
システィーナ礼拝堂の天井画と壁画を見るためだけに、ローマに行くとしても価値がある、それぐらい素晴らしい空間です。
ただ、そこに行くたび「違和感」を感じるのですが・・・
見物客がザワザワしだすと、決まってマイクで「シーーーー!!静かに!!」と大声で怒鳴る、あんた誰なの?
「ここは神聖な場所なので、大きな声で話すのをやめなさい。静かにしなさい。」
と、叱る本人が一番やかましい。
誰か、あの人に注意した方がいいよ。ね?
皆さんも是非、その違和感に遭遇してきてください。
あと、バチカン市国で無視できない場所のひとつに〈サン ピエトロ大聖堂〉があります。
こちらは世界で一番重要なカトリックの大聖堂のため、危険物の持ち込みを禁止し、入場する際に手荷物チェックがあります。
そのゲートがいつも、すんごく混んでいるんですよ~。。
こちらも待ち時間だけで1時間かかったという声をよく聞くので、覚悟して行ってください!美術館と違って予約できません。
空いている時間を読んで行っても、団体ツアーで一気に人が押し寄せてきたりもします。
朝一の早い時間帯か、ランチタイムは比較的空いていますが、それも時の運です。
あと、今回行ってみて驚いたのが、〈パンテオン神殿〉の入場行列!
今まで何度もパンテオン神殿の中に入ってきましたが、こんなに行列ができていたのはこの日が初めてでした。
内部は狭いので、入場規制をしているのかもしれません。
あまりの混雑っぷりに、入場をためらってしまいました…。
でもここは本当はすごく見ごたえのある名所なので、もう少し滞在時間が長ければもう一度行ってたな~!
5月はツーリストに人気の季節なのか、ローマはどこへいっても人でごった返していました。
おかげで、並ぶのに時間が足りず、行きたかったけど行けなかったというスポットがほかにもあります。
〈コロッセオ〉もそのひとつ。
私自身は1度中に入ったことがあるので、そこまで入場にはこだわりませんでしたが、同行した母以外の3人は、コロッセオもじっくり見てみたかったと言っていました。
〈ボルゲーゼ美術館〉も、〈サンタンジェロ城〉も、ローマならではの価値のある名所なので、本当は〈スペイン広場〉や〈トレヴィの泉〉よりも、優先して行きたかった…!!
ローマには広場がとてもたくさんありますが、その中でも特に魅力的なのは、
〈ナヴォーナ広場〉と〈ポポロ広場〉かと思います。
(↑ ナヴォーナ広場、Piazza Navona)
(↑ ポポロ広場、Piazza del Popolo)
ポポロ広場には、〈ピンチョの丘〉に続く階段があります。そこをのぼると、広場からサン ピエトロのクーポラまでを一望できる絶景ポイントが!
階段を上るのがつらい方は、地下鉄A線のSPAGNA駅からボルゲーゼに続くエスカレーターかエレベーターを利用すると、楽です。ただ、少し距離が離れるので、その分歩くことは覚悟してください。
もうひとつ、素敵な広場を。
〈カンポ デ フィオーリ広場、Campo de' Fiori〉です。
今回時間がなくて行けなかったので、心残りなのですが、ここは平日の午前中にお散歩するのが好きでした。市場になっていて、花屋さんに果物屋さん、かわいい小物屋さんなど、いろいろなお店が出ています。
週末の夕方は、広場のバーやカフェに人が集い、賑わいます。
ほかにも、トラムに乗って〈トラステヴェレ〉に行ったり、ローマの4大バジリカを巡ったり、ベルニーニの彫刻を片っ端から見て回ったり、ミケランジェロやカラヴァッジオの作品を見にそれぞれの教会をはしごしたり…
いろいろな楽しみ方ができるローマ。
自分が何が好きかわからなくても、気になったところに行ってみたら、感動の巡り会いがあるかもしれない…
そんな、多種多様な古代の歴史ロマンと芸術とおもしろみが、混在している街です。
今回久しぶりにローマを巡ってみて、観光都市ローマを攻略するには、丸6日以上の滞在が必要だと実感しました。
そしてその街を歩き回れるだけの体力も。
それでは、そのほかの情報は次回に続きます★
ciao